税金

【2026年版】所得税の計算方法を図解!サラリーマンの年収別シミュレーション

給与明細を見るたびに「所得税って、どうやって計算されているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

サラリーマンの場合、所得税は会社が自動的に天引きしてくれるため、自分で計算する必要はありません。しかし、仕組みを知らないまま毎月税金を払い続けるのは、なんだかもったいない気がします。

「年収500万円だと所得税はいくら?」「なぜ同じ年収でも税額が違うの?」「控除を増やせば税金は減るの?」こうした疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、2026年1月時点の最新制度をもとに、所得税の計算の仕組みを図解と具体例を使ってわかりやすく解説します。計算の流れを理解すれば、節税のポイントも見えてきます。

なお、この記事でいう「年収」は、会社員の給与収入(ボーナス込みの支給額)を指します。「手取り」ではない点に注意してください。

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所得税とは|収入に応じて課される国の税金

所得税とは、給与などの収入に対して一定の割合で課される税金です。収入が多ければ多いほど、所得税額も高くなる仕組みになっています。

ただし、実際は「収入そのもの」に税率を掛けるのではなく、給与所得控除所得控除を差し引いた後の金額(課税所得)に対して計算します。ここを理解すると「同じ年収でも税額が違う理由」が見えてきます。

収入から引かれる税金(所得税・住民税)

サラリーマンの場合、所得税は源泉徴収制度によって、勤務先が毎月の給料から自動的に差し引き、税務署に納めています。そのため、自分で申告する必要はありません。

ただし、仕組みを知らないと、本来受けられる控除を見逃して無駄に税金を払ってしまう可能性があります。まずは所得税がどのように計算されるのか、基本的な流れを理解しましょう。

所得税計算の3ステップ|全体像を理解する

所得税の計算は、以下の3ステップで行われます。

課税所得金額の算出(必要経費と所得控除を差し引く)円グラフ

課税所得金額の算出(必要経費と所得控除を差し引く)表

ステップ1:所得金額を算出

収入金額 − 必要経費 = 所得金額

ステップ2:課税所得金額を算出

所得金額 − 所得控除 = 課税所得金額

ステップ3:所得税額を計算

課税所得金額 × 税率 − 控除額 = 所得税額

この3つのステップを順番に理解していけば、所得税の計算は決して難しくありません。

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ステップ1:所得金額の算出|収入から必要経費を引く

まず、収入から必要経費を差し引いて「所得金額」を算出します。

所得の10種類

所得は、その性質に応じて以下の10種類に分類されます。

種類 内容
①利子所得 預貯金・国債などの利子
②配当所得 株式や出資の配当
③不動産所得 土地や建物を貸している場合の所得
④事業所得 商工業・農業などの事業による所得
⑤給与所得 給与・賃金・ボーナスなどの所得
⑥退職所得 退職金などの所得
⑦山林所得 山林の立木を売った場合の所得
⑧譲渡所得 土地・建物・株式・ゴルフ会員権などを売った場合の所得
⑨一時所得 生命保険の満期一時金・立退料など一時的な所得
⑩雑所得 公的年金・生命保険契約等に基づく年金など①〜⑨以外の所得

サラリーマンの場合、メインとなるのは⑤給与所得です。この給与所得から必要経費を差し引いた額が「所得金額」となります。

サラリーマンの必要経費=給与所得控除

個人事業主であれば、広告宣伝費や接待交際費などを必要経費として計上できますが、サラリーマンにはそのような経費がありません。

その代わりに、給与所得控除という制度があります。これは、収入から一定額を自動的に必要経費として認める仕組みです。

給与所得控除額の計算表(2026年時点)

給与等の収入金額 給与所得控除額
162.5万円以下 55万円
162.5万円超〜180万円以下 収入金額×40% − 10万円
180万円超〜360万円以下 収入金額×30% + 8万円
360万円超〜660万円以下 収入金額×20% + 44万円
660万円超〜850万円以下 収入金額×10% + 110万円
850万円超 195万円(上限)

計算例:年収500万円の場合

年収500万円の場合、「360万円超〜660万円以下」に該当するため、計算式は以下のとおりです。

500万円 × 20% + 44万円 = 144万円

この144万円が給与所得控除額(必要経費)となります。

500万円 − 144万円 = 356万円

所得金額は356万円となります。

個人事業主の必要経費

個人事業主の場合、「仕事をする上で必要な費用」を必要経費として計上できます。

主な必要経費の例

  • 仕事に必要な機器(パソコン、周辺機器、ソフトウェア)
  • 文房具、コピー用紙、その他消耗品
  • 家賃、光熱費、通信費などの事務所経費(按分可能)
  • 広告宣伝費
  • 営業・打ち合わせなどの交通費
  • 接待交際費、会議費

何が必要経費として認められるかは、個人の状況や業種によって異なります。判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

ステップ2:課税所得金額の算出|所得控除を引く

所得金額から、さらに所得控除を差し引いて「課税所得金額」を算出します。

この課税所得金額が、実際に税金が計算されるベースとなる金額です。つまり、所得控除が多ければ多いほど、税金は安くなります

所得控除の種類一覧

種類 控除を受けられる場合 控除額
基礎控除 すべての納税者(所得制限あり) 48万円
社会保険料控除 健康保険料、年金保険料などを支払った 支払った全額
医療費控除 一定額以上の医療費を支払った 医療費−保険金等−10万円(上限200万円)
生命保険料控除 生命保険料を支払った 最高12万円
地震保険料控除 地震保険料を支払った 最高5万円
配偶者控除 配偶者の合計所得48万円以下(給与収入103万円以下) 38万円(70歳以上は48万円)
配偶者特別控除 配偶者の合計所得48万円超133万円以下 最高38万円
扶養控除 扶養親族がいる(所得48万円以下など) 38万円〜63万円
障害者控除 本人や配偶者、扶養親族が障害者 27万円〜75万円
ひとり親控除 ひとり親である 35万円
寡婦控除 寡婦である 27万円
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済、iDeCoなどの掛金を支払った 支払った全額

※上記の金額は2026年時点の概算です。詳細は国税庁のウェブサイトで確認してください。

サラリーマンが一般的に受けられる主な所得控除

サラリーマンの多くに関係する所得控除は以下のとおりです。

①基礎控除:48万円

すべての納税者が受けられる控除です(ただし、合計所得金額が2,400万円を超える場合は控除額が減少し、2,500万円を超えると0円になります)。

②社会保険料控除:支払った全額

給料から天引きされる健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料(40歳以上)の全額が控除されます。

③配偶者控除・扶養控除

専業主婦(夫)の配偶者がいる場合は配偶者控除38万円、子どもや親を扶養している場合は扶養控除38万円(年齢により異なる)が受けられます。

計算例:専業主婦と子ども2人(16歳以上)を扶養している場合

配偶者控除38万円 + 扶養控除38万円×2 = 114万円

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ステップ3:所得税額の計算|税率を掛けて控除額を引く

課税所得金額が算出できたら、最後に税率を掛けて所得税額を計算します。

所得税の税率表(累進課税)

所得税は累進課税制度を採用しており、所得が高いほど税率も高くなります。

ここでの注意点は、税率は「年収全体」に一律で掛かるわけではなく、課税所得の階層ごとに段階的に適用されることです(いきなり全額が高税率になるわけではありません)。

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超〜330万円以下 10% 97,500円
330万円超〜695万円以下 20% 427,500円
695万円超〜900万円以下 23% 636,000円
900万円超〜1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超〜4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

※参考:No.2260 所得税の税率(国税庁)

復興特別所得税の加算

所得税額を計算した後、さらに復興特別所得税2.1%が加算されます。

特別復興所得税が2.1%加算される

復興特別所得税は、東日本大震災からの復興財源を確保するために創設された税金で、2037年(令和19年)まで継続されます。

最終的な所得税額は以下の計算式で求められます。

所得税額 × 102.1% = 納付する所得税額

具体例で理解する|年収450万円・妻と子1人のサラリーマン

ここまでの流れを、具体的な数字を使って計算してみましょう。

サラリーマンの所得税の計算例

条件

  • 年収:450万円
  • 家族構成:本人、専業主婦の妻、子ども1人(16歳以上)
  • 社会保険料:年間60万円

収入から所得税額までの流れ

ステップ1:所得金額の計算

年収450万円の場合、給与所得控除額は「360万円超〜660万円以下」に該当します。

450万円 × 20% + 44万円 = 134万円(給与所得控除額)

450万円 − 134万円 = 316万円

所得金額:316万円

ステップ2:課税所得金額の計算

所得控除を計算します。

  • 基礎控除:48万円
  • 配偶者控除:38万円
  • 扶養控除:38万円
  • 社会保険料控除:60万円

合計:184万円

316万円 − 184万円 = 132万円

課税所得金額:132万円

ステップ3:所得税額の計算

課税所得金額132万円は「195万円以下」に該当するため、税率は5%、控除額は0円です。

132万円 × 5% = 66,000円

復興特別所得税を加算します。

66,000円 × 102.1% = 67,386円

100円未満は切り捨てるため、所得税額:67,300円となります。

結論:年収450万円、専業主婦の妻と子ども1人を扶養しているサラリーマンの年間所得税は約67,300円です。

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所得税を減らす方法|控除を増やすことがポイント

所得税の計算の仕組みを理解すると、「税金を減らすには控除を増やせばいい」ということがわかります。

活用できる主な控除

①iDeCo(個人型確定拠出年金)

掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となり、所得控除を増やせます。将来の年金を準備しながら節税できる制度です。

②ふるさと納税

厳密には所得税の控除ではなく、住民税の控除ですが、実質2,000円の負担で返礼品がもらえるお得な制度です。

③医療費控除

年間の医療費が10万円を超えた場合(または所得の5%を超えた場合)、超えた分を控除できます。家族全員の医療費を合算できるため、領収書は必ず保管しましょう。

④生命保険料控除

生命保険、個人年金保険、介護医療保険に加入している場合、最高12万円の控除が受けられます。

控除を受けるための手続き

サラリーマンの場合、年末調整で大部分の控除は自動的に反映されます。ただし、以下の控除は確定申告が必要です。

  • 医療費控除
  • ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)
  • 初年度の住宅ローン控除

まとめ|所得税計算で押さえるべき3つのポイント

  1. 所得税は課税所得金額に対して計算される
    収入から給与所得控除と所得控除を引いた「課税所得金額」が税金計算のベースです。収入そのものに税金がかかるわけではありません。
  2. 所得控除が多いほど税金は安くなる
    基礎控除、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除など、受けられる控除をすべて活用することが節税の基本です。
  3. 累進課税制度で税率が変わる
    所得が増えると税率も上がります。ただし、すべての所得に高い税率がかかるわけではなく、段階的に税率が適用されます。

所得税の仕組みを理解すれば、節税の方法も見えてきます。iDeCoや医療費控除など、活用できる制度を積極的に利用して、無駄な税金を減らしましょう。

よくある質問

Q1. 年末調整と確定申告の違いは何ですか?

A. 年末調整は会社が従業員に代わって行う所得税の精算です。確定申告は自分で1年間の所得と税額を計算して申告する手続きです。サラリーマンの場合、医療費控除や初年度の住宅ローン控除など、年末調整で対応できない控除がある場合のみ確定申告が必要です。

Q2. 給与所得控除は自分で計算する必要がありますか?

A. いいえ、会社が自動的に計算して適用してくれます。給与明細や源泉徴収票で確認できますが、自分で計算や申告をする必要はありません。

Q3. 所得税と住民税の違いは何ですか?

A. 所得税は国に納める税金、住民税は都道府県と市区町村に納める税金です。所得税は累進課税(5%〜45%)ですが、住民税は原則一律10%(所得割)です。

Q4. 扶養控除は何歳から何歳まで受けられますか?

A. 16歳以上の扶養親族が対象です。15歳以下の子どもは扶養控除の対象外ですが、児童手当の対象となります。また、年齢によって控除額が異なり、19〜22歳の特定扶養親族は63万円、70歳以上の老人扶養親族は48万円または58万円の控除が受けられます。

Q5. 復興特別所得税はいつまで続きますか?

A. 2037年(令和19年)12月31日までの予定です。2013年1月から開始され、25年間継続されます。

Q6. 副業の収入がある場合、所得税はどうなりますか?

A. 給与所得以外に副業で年間20万円を超える所得がある場合、確定申告が必要です。副業の所得は、給与所得と合算して税額が計算されます。

Q7. 配偶者の収入が103万円を超えると、どうなりますか?

A. 配偶者控除は受けられなくなりますが、年収201万円以下であれば配偶者特別控除が受けられます。ただし、配偶者の収入が増えると控除額は段階的に減少します。

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