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税金

住民税の仕組みと計算(図と例でわかりやすく説明)

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住民税の仕組みと計算方法など、図と例を用いてわかりやすく説明していきます。

日本には多くの税金がありますが、一番関わりがあるのが以下の3つの税金です。

所得税
住民税
消費税

このうち収入(所得)の割合に応じて税金がかかるのが所得税と住民税です。
ここでは、「住民税」について説明していきます。

「所得税」については以下のページで詳しく説明しています。
所得税の計算(誰でもわかる図解で解説)

収入から引かれる税金(所得税・住民税)

住民税というのは、「市区町村民税」と「都道府県税」の総称。

国に納めるのが所得税、自分の住んでいる地域に支払うものが住民税です。
住民のために行なうサービやインフラのために使われることになります。

住民税には前年の所得に応じて課税される「所得割」と所得金額に関わらずに課税される「均等割」があります。

 

住民税(計算の流れ)

まずは以下の図を見てください。
住民税を算出するための計算の流れです。

住民税の計算の流れ
収入から必要経費と所得控除を引いたのが課税所得金額

サラリーマンであれば、会社が年末調整を行なうので普段はあまり意識していないかもしれません。
個人事業主などで確定申告する場合は、この計算の流れが重要になります。

住民税は課税所得によって金額が決まります。収入が多ければそれだけ多く支払う必要があります。
ですが後から説明する「必要経費」や「所得控除」などを差し引くことができるため、実際は収入全てに対して課税されるわけではありません。

では以下を順に説明していきます。

  • 収入から所得金額を算出する<ステップ1
  • 必要経費について
  • 所得金額から課税所得金額を算出する<ステップ2
  • 住民税の計算方法<ステップ3
  • サラリーマンの住民税の計算例

収入から所得金額を算出する<ステップ1>

収入といってもさまざまな種類があり、以下の10種類に区分されます。

種類 内容
①利子所得 預貯金・国債などの利子の所得
②配当所得 株式や出資の配当などの所得
③不動産所得 土地や建物を貸している場合の所得
④事業所得 商工業・農業などの事業をしている場合の所得
⑤給与所得 給与・賃金・ボーナスなどの所得
⑥退職所得 退職金などの所得
⑦山林所得 山林の立木を売った場合の所得
⑧譲渡所得 土地や建物、株式やゴルフ会員権などを売った場合
⑨一時所得 生命保険の満期一時金・立退料など一時的な所得
⑩雑所得 公的年金・生命保険契約等に基づく年金など①~⑨以外の所得

サラリーマンなら⑤の給与所得に該当します。これが収入金額です。
そこから必要経費を差し引いた額が所得金額

さらに所得金額から所得控除を引いた額が課税所得金額です。

実際の住民税の計算はこの課税所得金額により決定します。

では、収入から差し引くことができる必要経費とはどのようなものがあるのでしょうか。

必要経費について

収入から差し引くことができるのが必要経費です。
ここではサラリーマンの場合と個人事業主の場合を見ていきます。

サラリーマンの給与所得控除額

自営業の場合は広告宣伝費、修繕費、減価償却費、接待交際費、地代家賃などを計上することになりますが、サラリーマンにはありません。

その代わりとしてサラリーマンには「給与所得控除」があります。
給与所得控除は収入から一定額を必要経費として認めましょうという制度です。

給与所得控除表

給与等の収入金額 給与所得控除額
180万円以下の場合 収入金額×40% (※1)
180万円を超え360万円以下の場合 収入金額×30%+18万円
360万円を超え660万円以下の場合 収入金額×20%+54万円
660万円を超え1000万円以下の場合 収入金額×10%+120万円
1000万円を超え1500万円以下の場合 収入金額×5%+170万円
1500万円を超える場合 245万円(上限)

※1. 65万円に満たない場合は65万円になる。

(例)年間給与総額が500万円の場合

給与総額が年間500万円の場合は、「360万円を超え660万円以下の場合」に該当します。
計算式は「収入金額×20%+54万円」。

そこに当てはめると、500万円×20%+54万円=154万円。
この154万円がサラリーマンとして必要経費に認められることになります。

500万円から154万円を引くと、346万円が所得金額です。

個人事業主の場合の必要経費

個人事業主の必要経費は「仕事をする上で必要は費用」です。

  • 仕事に必要な機器(パソコン、周辺機器、ソフト)
  • 文房具、コピー用紙、その他消耗品
  • 家賃、光熱費、通信費などの事務所経費
  • 広告宣伝費
  • 営業、打ち合わせなどの交通費
  • 接待交際費、会議など

必要経費になるものならないものは細かく分かれています。
個人の状況や環境によっても変わってきます。

ステップ1では、「所得金額」の算出方法を書いてきました。
次に大事なものが「課税所得金額」です。

実際の住民税はこの課税所得金額により決定されます。

所得金額から課税所得金額の算出する<ステップ2>

収入金額から必要経費を引いた額が所得金額でした。
その所得金額からさらに所得控除を引いたものが「課税所得金額」です。

ではその所得控除にはどのようなものがあるのでしょうか。

所得控除の一覧

種類 控除を受けられる場合 控除額
基礎控除 すべての納税者が一律に受けられる 33万円
社会保険料控除 健康保険料、年金保険料などの社会保険料を支払った 支払った社会保険料
医療費控除 一定額以上の多額の医療費を支払った 医療費控除額-保険などで補填される額-(10万円または所得の5%)【上限200万円】
生命保険料控除 生命保険などの生命保険料を支払った 最高7万円
地震保険料控除 地震保険料を支払った 最高2万5千円
配偶者控除 配偶者の合計所得金額が38万円以下(給与所得者の場合年収103万円以下) 33万円(配偶者が70歳以上は38万円)
配偶者特別控除 配偶者の合計所得金額が38万円を超え76万円未満(給与所得者の場合年収103万円超141万円未満) 最高33万円
扶養控除 納税者に扶養されている一定の要件(合計所得金額38万円以下など)の親族がいる 33万円(特定扶養親族は45万円、老人扶養親族は45万円)
障害者控除 納税者本人や配偶者、扶養親族などが障害者である 26万円(特別障害者は30万円、同居特別障害者は53万円)
寡婦・寡婦控除 寡婦または寡夫である 26万円(特定の寡婦は30万円)
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済等掛金、確定拠出年金(企業型・個人型)の掛金を支払った 支払った掛金(月額上限7万円)

所得税と住民税とは所得控除が異なる

多くの項目で所得税と住民税とは控除額が異なります
全体的に住民税の方が控除額が少なくなります。

(例)【基礎控除額】
所得税の基礎控除は38万円
住民税の基礎控除は33万円

※基礎控除はすべての納税者が受けられる控除のこと。

よく「103万円の壁」という言葉を聞きます。
収入が103万円未満の場合は所得税がかからないというもの。

どのような内訳になっているかというと、

【収入】103万円
【控除】基礎控除38万+給与所得控除65万円=103万円

基礎控除38万円と給与所得控除65万円を足すと103万になるからです。
収入と控除額を差し引くとゼロになります
ゼロの場合は課税されません。

しかし住民税の場合は所得税に比べて5万円少ない。

【収入】103万円
【控除】基礎控除33万+給与所得控除65万円=98万円

103-98=5万円となり、5万円に対して課税されることになります。

サラリーマンの所得控除(例)

実際にサラリーマンの場合、具体的にどのような所得控除が受けられるのでしょうか。

まずは「基礎控除」の33万円。
この基礎控除はすべての納税者が受けられる控除のこと。

次に社会保険料控除。サラリーマンなら給料から毎月天引きされているもの。
社会保険料には、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料(40歳以上)が含まれます。
支払った全ての金額が控除対象です。

他にもさまざまな控除を受けることができます。

住民税の計算方法<ステップ3>

総収入に必要経費と所得控除を引いたものが「課税所得金額」です。
この課税所得金額を元に住民税の計算をおこないます。

住民税には所得割と均等割の2種類があります。
所得割は所得に対しての課税。均等割は所得に関係なく一律に課税するもの。

市区町村民税と都道府県税の所得割と均等割

所得割とは

所得割とは所得によって課税されるものです。
住民税の所得割は、市区町村民税6%都道府県税4%

合わせて10%です。

ステップ2で算出された課税所得金額が200万円だった場合を例にします。

市区町村民税=200万円×6%=12万円
都道府県税=200万円×4%=8万円

合計すると所得割は20万円になります。

均等割とは

均等割は所得に関係なく一律に課税されるものです。
同じように市区町村民税と都道府県税があります。

実際の額は各自治体ごとに変わります。およその額ですが、市区町村民税が3500円前後。
都道府県税が1500円~2000円前後。合計で5000円から5500円程になります。

サラリーマンの住民税の計算例

実際にサラリーマン佐藤さんの住民税の計算をしてみます。
佐藤さんの状況は以下の通り。

住民税の計算例(給与・家族構成)

所得金額の計算(例)

最初にやることは収入から所得金額を算出することです。
所得金額の算出方法は、「収入金額-必要経費」。
サラリーマンの場合の必要経費は「給与所得控除額」なり、給与所得控除表から450万円のところを見ます。

450万円の場合は「360万円を超え660万円以下の場合」になるため、控除額は「収入金額×20%+54万円」です。計算すると144万円。この144万円が給与所得控除額です。

450万円からこの額を引くと所得金額が算出されます。
450-144=306万円

所得金額は306万円になります。

課税所得金額の計算(例)

次に計算するのが課税所得金額です。
課税所得金額とは、所得金額から基礎控除や社会保険控除などを差し引いた額のこと。

前述したように所得控除にはさまざまな種類があります。
また控除額も所得税の額とは異なる場合もあるので注意が必要です。

今回の例では以下の4つが控除対象です。
実際には他にも医療費、生命保険料控除などあるかと思いますがここでは省きます。

・本人の基礎控除:33万円
・妻の配偶者控除:33万円
・子供の扶養控除:33万円
・社会保険控除額:60万円

合計:159万円

先程の所得金額からこの159万円を引いていきます。

306万円-159万円=147万円

この147万円が「課税所得金額」です
控除額が多ければ多いほど、課税所得金額が低くなり支払う税金が少なくなります。

この額が住民税を計算する上での元になります。

住民税額までの流れ図

住民税の計算(例)

課税所得金額(132万円)を元に住民税の計算をおこないます。

住民税は「所得割」と「均等割」に分かれています。

【所得割】
147万円の課税所得金額より各6%と4%をかけます。

市区町村民税:147万円×6%=88,200円
都道府県税:147万円×4%=58,800円
合計:147,000円

【均等割】

市区町村民税:3,500円
都道府県税:2,000円
合計:5,500円

※実際の均等割の額は各自治体ごとに異なります。

所得割と均等割を合計すると152,500円。

152,500円を住民税として支払うことになります。

 

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