税金 役に立つ雑学

【図解】ビールと発泡酒の税金比較!2026年10月の酒税改正をわかりやすく解説

「ビールって税金が高いって聞くけど、実際いくらくらいなんだろう?」

「発泡酒や第3のビールと税金はどれくらい違うの?」

仕事終わりのビールは格別ですが、実はその1杯の約4割が税金だと知ったら、ちょっと複雑な気持ちになりませんか。350ml缶ビール1本に酒税だけで約63円、さらに消費税が上乗せされています。

しかも、2026年10月にはビール・発泡酒・第3のビールの酒税が一本化されます。ビールは値下がり、第3のビールやチューハイは値上がりと、お酒の選び方自体が大きく変わるかもしれません。

この記事では、ビールや発泡酒にかかる税金の仕組みから、2026年10月の酒税改正で何がどう変わるのか、そしてどのお酒が税金面でお得なのかまで、わかりやすく解説します。

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ビールと発泡酒の違い|税金が変わる理由

まず、なぜビールと発泡酒で税金が違うのかを理解しておきましょう。

ビールと発泡酒の違いが一目でわかる図

ビールと発泡酒の違いは、「麦芽の割合」「副原料の内容と使用比率」にあります。

ざっくり言えば、麦芽の割合が50%以上のものが「ビール」、50%未満のものは「発泡酒」に分類されます。

ただし、麦芽比率が50%以上であっても、副原料が一定の範囲を超える場合や、ビールとして認められていない副原料を使っている場合は「発泡酒」に分類されることがあります。

つまり、麦芽が多いのが「ビール」、麦芽を抑えたり果実・スパイスを加えたりしたものが「発泡酒」という位置づけになります。

これまで発泡酒がビールより安く売られてきた最大の理由は、酒税がビールに比べて安かったからに他なりません。

ところが、2026年10月の酒税改正により、この税金の差がなくなります。ビール・発泡酒・第3のビールの税率が統一されるため、「税金が安いから発泡酒」という選び方は過去のものになるかもしれません。

お酒にかかる税金一覧(2026年2月時点)

お酒にかかる酒税は、種類によって大きく異なります。現在適用されている税率を一覧にまとめました。

ビール・発泡酒類の税率

お酒の種類 麦芽比率等 1kLあたりの税率 350mlあたり税額 2026年10月以降
ビール 麦芽比率50%以上 181,000円 63.35円 54.25円(減税)
発泡酒 麦芽比率50%以上
(※規定外の副原料を使用等)
181,000円 63.35円 54.25円(減税)
発泡酒 麦芽比率25%以上50%未満 155,000円 54.25円 54.25円(据え置き)
発泡酒 麦芽比率25%未満 134,250円 46.99円 54.25円(増税)
第3のビール 新ジャンル 134,250円 46.99円 54.25円(増税)
チューハイ その他の発泡性酒類 80,000円 28円 35円(増税)

※チューハイの税率は、2026年10月に28円から35円(350mlあたり)に引き上げられます。

その他のお酒の税率

お酒の種類 1kLあたりの税率 350mlあたり税額
ワイン(果実酒) 100,000円 35円
日本酒(清酒) 100,000円 35円
ウイスキー等(蒸留酒類) 370,000円 ※1 129.5円 ※1
リキュール等(混成酒類) 120,000円 ※2 42円 ※2

※1 アルコール度数37度を超える場合、1度ごとに10,000円が加算されます。
※2 アルコール度数13度以上の場合、12度を超える1度ごとに10,000円が加算されます。

ここで注意したいのが、お酒にかかる税金はこれだけでは終わらないということ。酒税に加えて消費税10%がさらに上乗せされます。お酒は軽減税率(8%)の対象外です。

酒税と消費税を足した額が、お酒にかかる税金の総額になります。

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350ml缶ビールにかかる税金の内訳

では、具体的にスーパーで売られている缶ビールには、いくらの税金がかかっているのでしょうか。

税込み219円の350ml缶ビールを例に計算してみます。

350ml缶ビールの税金内訳(円グラフ風)

350ml缶ビール(税込219円)の税金内訳

  • 酒税:63.35円
  • 消費税:約20円(税抜価格に対して10%)
  • 税金の合計:約83円
  • 税金を除いた純粋なビールの値段:約136円

350ml缶ビールにかかる税率は約38%。価格の約4割が税金です。

219円を払って飲んでいるつもりでも、そのうち83円は国に納めている税金。実際にビールの代金として支払っているのは136円程度ということになります。

酒税にも消費税がかかる「二重課税」の仕組み

ここで一つ知っておきたいポイントがあります。消費税は「酒税込みの価格」に対してかかっています。

つまり、酒税63.35円に対しても消費税10%が取られている計算になります。税金に税金がかかっているように見えるため、「二重課税ではないか」と疑問の声が上がることもあります。

しかし、制度上は「酒税を含んだ価格が、お酒そのものの価値(課税標準)」とみなされるため、法律上は適正な仕組みとされています。ガソリン税などにも同じ構造が見られます。

お店でビールを頼んだ場合の税金

居酒屋やレストランで生ビールを頼んだ場合の税金はどうなるでしょうか。たとえば、ビール1杯500円(税抜)で提供されているとします。

これを350ml相当として計算すると、以下のようになります。

  • 酒税:63.35円
  • 消費税:50円(税抜500円の10%)
  • 税金を除いたビール本体の価格(原価・経費等を含む):436.65円
  • 合計(支払い額):550円(税込)

この436.65円の中から、ビールの仕入れ原価、人件費、お店の家賃などが支払われます。「お店の丸儲け」というわけではなく、飲食店はさまざまな経費をかけてビールを提供しています。それでも、税金を節約したいという視点だけで見れば、家でゆっくり飲んだほうがずっとお得だということがわかります。

どのお酒が税金面でお得?350mlで比較

「少しでも税金の安いお酒を選びたい」と考える方のために、現在の350ml缶あたりの税金が安い順に並べてみました。

お酒の種類別・税金ランキング(350mlあたり)

順位 お酒の種類 350mlあたりの酒税
1位 チューハイ 28円
2位 ワイン 35円
2位 日本酒 35円
4位 第3のビール・発泡酒(麦芽25%未満) 46.99円
5位 発泡酒(麦芽25%以上50%未満) 54.25円
6位 ビール・発泡酒(麦芽50%以上) 63.35円

現在、税金だけで見ればチューハイが28円で最も安く、ビールが最も高い結果になります。ビールとチューハイでは、1本あたり約35円も税金に差があります。

ただし、2026年10月の税制改正後には税率が大きく変わるため、この順位にも変動が出てきます。

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2026年10月の酒税改正|ビール・発泡酒・第3のビールの税率が統一

2026年10月、お酒の税金が大きく変わります。ビール・発泡酒・第3のビールの酒税が、350mlあたり54.25円に統一されます。

これは2017年(平成29年)の税制改正で決まったもので、3段階にわたって進められてきた税率統一の最終段階です。

税率統一の経緯(3段階の改正スケジュール)

ビール系飲料の酒税改正スケジュール(350mlあたり)

  • 2020年10月:第1段階(ビール 77円→70円に減税、第3のビール 28円→37.8円に増税)
  • 2023年10月:第2段階(ビール 70円→63.35円に減税、第3のビール→発泡酒に統合され46.99円に増税)
  • 2026年10月:最終段階(すべて54.25円に統一)

もともと「ビールは高い、第3のビールは安い」という税率格差が、メーカーの商品開発や消費者の購買行動をゆがめていると指摘されていました。政府はこの格差をなくし、税負担の公平性を回復する目的で改正を決定しています。

2026年10月以降、消費者にはどんな影響がある?

税率統一で、お酒の税金は以下のように変わります。

2026年10月 酒税改正のインパクト

お酒の種類 現在の税額 2026年10月以降 変化
ビール 63.35円 54.25円 約9円の減税
発泡酒(麦芽25%以上50%未満) 54.25円 54.25円 据え置き
発泡酒(麦芽25%未満)・第3のビール 46.99円 54.25円 約7円の増税
チューハイ 28円 35円 7円の増税

注目すべきは、ビールの税金は下がり、第3のビールやチューハイの税金は上がるという点です。

これまで「税金が安いから」という理由で発泡酒やチューハイを選んでいた方にとっては、価格差が縮小するため、選び方が変わってくるでしょう。

メーカーの動き|「金麦」「本麒麟」がビールに格上げ

税率統一を受けて、ビールメーカーも大きな動きを見せています。

サントリーの人気商品「金麦」は、これまで新ジャンル(第3のビール)に分類されていましたが、2026年10月以降に「ビール」として発売されることが正式発表されました。キリンの「本麒麟」も同様に、ビールへの格上げが発表されています。

税率が統一されれば、新ジャンルとして販売し続けるメリットがなくなるため、麦芽比率を引き上げて本格的な「ビール」として勝負する戦略です。

消費者にとっては、これまでの「安いか高いか」ではなく、純粋に「味で選ぶ時代」に変わっていくことになります。

酒税の年度別推移|若者の「お酒離れ」が税収に影響

酒税の税収は年々減少しています。ピークだった1994年(平成6年)度の約2.12兆円から、2023年(令和5年)度は約1.18兆円へ大幅に落ち込んでいます。

種類の課税数量と課税額の推移

お酒の消費量自体も減り続けています。1995年度には成人1人あたり約100リットルだったのが、2020年度には約75リットルまで落ち込みました。

昨今よく耳にする「若者のお酒離れ」は、数字にもはっきりと表れています。ノンアルコール飲料の充実や、健康意識の高まりも影響しているでしょう。

こうした状況に危機感を覚えた国税庁は、お酒の需要喚起を目的とした「サケビバ!」というコンテストを2022年に開催しました。しかし、国が推進する健康促進の方針と矛盾するとして、一部から批判の声も上がりました。

酒税収入の減少は今後も続く見通しで、税制改正による税率統一もこの流れを踏まえた対応の一つと言えます。

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まとめ|お酒の税金を理解して賢く選ぼう

ビールを中心に、お酒にかかる税金の仕組みを見てきました。ポイントを整理します。

この記事のポイント

  • ビール(350ml缶)には約63円の酒税がかかり、価格の約4割が税金
  • 酒税を含んだ価格に消費税がかかる仕組みになっている
  • 現在最も税金が安いのはチューハイ(28円)
  • 2026年10月にビール・発泡酒・第3のビールの税率が54.25円に統一される
  • ビールは減税、第3のビール・チューハイは増税になる

2026年10月の税率変更で、ビール類やチューハイの価格差は大きく縮まります。これからは「安いから」ではなく「好きだから」でお酒を選べる時代になるかもしれません。

税金の仕組みを知っておくだけでも、日々の買い物の見え方がちょっと変わるはずです。

よくある質問(FAQ)

Q1. ビールにかかる税金は何%ですか?

350ml缶ビール(税込219円)の場合、酒税と消費税を合わせて約38%が税金です。つまり、価格の約4割が税金ということになります。

Q2. 発泡酒と第3のビールはどちらが税金が安いですか?

2023年10月の改正で、第3のビール(新ジャンル)は発泡酒に統合されました。現在は麦芽比率25%未満の発泡酒と同じ46.99円(350mlあたり)です。両者に税額の差はありません。

Q3. 2026年10月の税制改正で何が変わりますか?

ビール・発泡酒・第3のビールの酒税が350mlあたり54.25円に統一されます。ビールは約9円の減税、第3のビール・発泡酒(麦芽25%未満)は約7円の増税です。また、チューハイも28円から35円へ増税されます。

Q4. なぜビールは税金が高いのですか?

ビールは嗜好品として歴史的に高い税率が設定されてきました。かつては350mlあたり77円もの酒税が課されていましたが、税制改正により段階的に引き下げられており、2026年10月には54.25円まで下がる予定です。

Q5. チューハイの税金は今後も安いままですか?

チューハイは現在350mlあたり28円と最も安いですが、2026年10月の改正で35円に引き上げ(増税)となります。それでもビール系飲料(54.25円)との差は約19円あるため、引き続きお得な選択肢と言えるでしょう。

Q6. お店で飲むビールと家で飲むビールの税金は同じですか?

酒税自体は同じです。ただし、お店ではサービス料や人件費、設備費が上乗せされるため、支払い額は大きく異なります。税金を気にするなら、家飲みのほうがお得です。

Q7. 酒税に消費税がかかるのは二重課税では?

税金に税金がかかっているように見えるため「二重課税ではないか」という声もあります。しかし、制度上は「酒税を含んだ価格が課税標準(お酒の価値)」とみなされるため、法律上は適正な仕組みとされています。

参考・出典

  • 国税庁「酒税率一覧表(令和5年10月1日~令和8年9月30日)」
  • 国税庁「酒税に関する資料」
  • 財務省「酒税等に関する資料」
  • サントリーホールディングス株式会社「2026年 サントリー(株)ビール事業方針」
  • キリンホールディングス株式会社「2026年 キリンビール事業方針」

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