国民年金・厚生年金

国民年金保険料の免除制度|条件と所得基準・将来の受取額への影響

「国民年金の保険料が高くて払えない…」そんな悩みを抱えていませんか?

結論:所得が基準以下、または失業などで支払いが難しい場合は、国民年金保険料免除(または納付猶予)を申請できます。全額免除でも受給資格期間に入り、将来の年金は全く0円にはなりません(全額免除なら将来の年金額は50%)。

国民年金の保険料は月額17,000円以上。年間で約21万円の負担になります。失業したとき、収入が減ったとき、学生のとき、この金額を払い続けるのは簡単ではありません。

しかし、払えないからといって放置してはいけません。未納のままにすると、督促状が届いたり、最悪の場合は財産を差し押さえられる可能性もあります。

このページでは、経済的に国民年金を払うのが難しいときに利用できる「国民年金保険料免除制度」について、条件・申請方法・デメリット・追納の方法まで、わかりやすく解説します。免除を受ければ、将来の年金も「免除区分に応じて」一部はもらえます。まずは制度を正しく理解しましょう。

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国民年金保険料免除制度とは?

国民年金保険料免除制度とは、経済的な理由で保険料を払うのが困難な人のために、保険料の全額または一部を免除する制度です。

2025年度(令和7年度)の国民年金保険料は月額17,510円、年間で約21万円です。この金額を毎月払い続けるのは、失業中や収入が少ない人にとって大きな負担です。

免除制度の4つの区分

免除には、所得に応じて以下の4つの区分があります。

  • 全額免除:保険料の全額が免除される(支払い0円)
  • 4分の3免除:保険料の4分の1だけ支払う
  • 半額免除:保険料の半分だけ支払う
  • 4分の1免除:保険料の4分の3だけ支払う

全額免除を受ければ、月額17,510円の支払いが0円になります。

注意:4分の3免除・半額免除・4分の1免除は、免除後に残る「自己負担分」を納付して初めて、その月が「免除(月)」として扱われます。残りを払わないと未納扱いとなり、将来の年金額に反映されない(または受給要件で不利になる)可能性があるため注意してください。

免除を受けても将来の年金はもらえる

「免除を受けたら、将来年金がもらえなくなるのでは?」と心配する人もいますが、免除期間も年金の受給資格期間にカウントされ、将来の年金も一部もらえます

国民年金保険料の支払額と将来の年金受取額

免除の種類 将来もらえる年金額
全額免除 2分の1(50%)
4分の3免除 8分の5(62.5%)
半額免除 4分の3(75%)
4分の1免除 8分の7(87.5%)

例えば、全額免除を受けた期間でも、将来の年金額の半分はもらえます(一部免除は上の表の割合です)。

なぜ払っていないのに年金がもらえるのかというと、年金財源の半分は国(税金)が負担しているからです。免除期間中も、国の負担分は将来の年金額に反映されるため、全く年金がもらえなくなるわけではありません。

未納のまま放置すると、将来の年金額は0円です。免除を受ければ、少なくとも一部は反映されるため、払えないときは必ず免除申請をすべきです。

免除を受けられる条件

免除を受けるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

1. 所得が基準以下の場合

本人・配偶者・世帯主の前年所得が、以下の基準以下であれば免除を受けられます。

全額免除の所得基準

(扶養親族等の数+1)× 35万円 + 32万円

例:

  • 単身者(扶養親族0人):67万円以下
  • 2人世帯(扶養親族1人):102万円以下
  • 3人世帯(扶養親族2人):137万円以下

4分の3免除の所得基準

88万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等

半額免除の所得基準

128万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等

4分の1免除の所得基準

168万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等

2. 失業した場合(特例免除)

失業した場合は、前年の所得にかかわらず、免除または納付猶予が認められる可能性があります。

これは「特例免除」と呼ばれ、通常の所得要件を満たさなくても、失業の事実があれば申請できます。

ただし、審査では本人だけでなく配偶者・世帯主の所得も見られるため、家族の所得状況によっては全額免除にならず、一部免除や非承認となることもあります

3. その他の特別な事情がある場合

  • 障害者または寡婦・ひとり親で、前年所得が135万円以下
  • 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている
  • 災害により被害を受けた
  • 配偶者からの暴力(DV)により配偶者と生計が別になった

免除の具体例

(例1)単身者が失業した場合(前年所得300万円)

失業の事実があれば、前年所得が300万円あっても特例免除の対象になります。雇用保険受給資格者証または離職票のコピーが必要です。

(例2)世帯主が失業し、妻の前年所得が200万円ある場合

妻の所得が200万円あるため、全額免除は難しい可能性があります。ただし、一部免除(4分の3免除など)が認められる場合もあるため、まずは申請してみることをおすすめします。

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学生納付特例制度とは?

学生の場合は、通常の免除制度とは別に「学生納付特例制度」があります。

これは、学生本人の所得が一定以下(目安:年間128万円以下)であれば、保険料の納付が猶予される制度です。

学生納付特例と免除の違い

学生納付特例 免除制度
対象 学生 学生以外
保険料 猶予(後払い可) 免除(支払い不要)
将来の年金 追納しないと0円 免除割合に応じてもらえる
受給資格期間 カウントされる カウントされる

重要:学生納付特例は「猶予」であり、追納しない限り将来の年金額には反映されません。一方、免除制度は追納しなくても一部の年金がもらえます。

納付猶予制度との違い

免除制度とよく混同されるのが「納付猶予制度」です。

納付猶予制度は、50歳未満の人が対象で、本人・配偶者の所得が一定以下の場合に利用できます(世帯主の所得は問われません)。

免除制度 納付猶予制度
対象年齢 制限なし 50歳未満
所得審査 本人・配偶者・世帯主 本人・配偶者のみ
将来の年金 一部もらえる 追納しないと0円
受給資格期間 カウントされる カウントされる

納付猶予は、追納しない限り将来の年金額には反映されません。この点が免除制度との大きな違いです。

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免除申請の方法

申請場所

免除の申請は、以下のいずれかで行います。

  • 市区町村役場の国民年金担当窓口
  • 年金事務所

市区町村役場で申請した場合、書類が年金事務所に送付され、年金事務所で審査されます。

申請に必要なもの

  • 国民年金手帳または基礎年金番号通知書(マイナンバーカードでも可)
  • 所得証明書(前年の所得がわかる書類)
  • 失業を証明する書類(失業による特例免除の場合)
    • 雇用保険受給資格者証のコピー
    • 雇用保険被保険者離職票のコピー
  • 扶養している配偶者がいる場合は、配偶者の年金手帳

申請書のダウンロード

申請書は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。

日本年金機構:国民年金関係届書・申請書一覧

免除の対象期間

免除の対象期間は、毎年7月~翌年6月の1年間です。

例えば、2026年3月に退職して4月に免除申請した場合:

  • 4月に申請した分:2025年7月~2026年6月分
  • 7月以降:再度、2026年7月~2027年6月分の申請が必要

毎年7月になったら、改めて申請が必要です。自動継続されないため注意してください。

申請はいつでもできる

免除の申請は、原則としていつでもできます。また、申請時点から2年1か月前までさかのぼって申請できます。

ただし、手続き状況や納付状況によって取り扱いが変わることもあるため、早めに申請・相談することが重要です。

免除を受けるデメリット

免除を受けると、以下のようなデメリットがあります。

1. 将来の年金額が減る

免除を受けた期間は、満額納付した場合と比べて年金額が少なくなります。

例:40年間のうち10年間全額免除を受けた場合(2025年度の満額基準)

  • 満額納付(40年間):年間約831,700円
  • 30年納付+10年全額免除:年間約727,700円
  • 差額:年間約104,000円

ただし、未納のまま放置すると年金額はさらに減るため、払えないときは免除を受けた方が有利です。

2. 障害年金・遺族年金の受給要件に影響する場合がある

障害年金や遺族年金を受け取るには、一定期間以上の保険料納付が必要です。免除期間は納付済み期間として扱われるため、通常は問題ありませんが、未納期間が多いと受給できないことがあります。

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追納制度:後から払って年金額を増やせる

免除を受けた期間は、10年以内であれば後から保険料を納める(追納する)ことができます。

追納すれば、免除期間も満額納付した期間として扱われ、将来の年金額を増やすことができます。

追納のルール

  • 追納できるのは、免除を受けた月から10年以内
  • 古い期間から順に追納する必要がある
  • 免除を受けてから3年目以降は、当時の保険料に加算額が上乗せされる

追納すべきか?

追納するかどうかは、以下の点を考慮して判断してください。

  • 経済的に余裕がある場合:追納すれば将来の年金額が増えるため、追納した方が有利
  • 余裕がない場合:無理に追納する必要はない。免除期間でも一部の年金はもらえる

追納した保険料は、所得税・住民税の社会保険料控除の対象になるため、節税効果もあります。

未納のまま放置するとどうなる?

国民年金を払わずに放置すると、以下のような問題が発生します。

  • 督促状が届く
  • 電話や訪問による催告が来る
  • 特別催告状(最終警告)が届く
  • 財産の差し押さえが実行される

日本年金機構は、未納者への督促業務を民間企業に委託しています。知らない会社から電話や訪問があっても、それは正式な督促である可能性が高いです。

詳しくは以下のページを参照してください。

年金を払わないとどうなるのか?差押えになるの?

まとめ

国民年金を払えないときは、未納のまま放置せず、必ず免除申請をしてください。

重要なポイントをまとめます。

  • 免除を受ければ、将来の年金も一部(全額免除なら50%)もらえる
  • 免除には所得基準があり、失業した場合は特例免除が利用できる
  • 学生は学生納付特例制度を利用できる
  • 免除期間は10年以内なら追納できる
  • 免除の申請は毎年7月~翌年6月の1年ごと
  • 未納のまま放置すると督促や差し押さえのリスクがある

全国で全額免除を受けている人の割合は約35%と非常に高く、地方では40%を超える地域もあります。経済的に苦しいのはあなただけではありません。

払えないときは、恥ずかしがらずに免除申請をしましょう。それが将来の自分を守ることにつながります。

よくある質問

国民年金を払えない場合、どうすればいいですか?

未納のまま放置せず、市区町村役場または年金事務所で免除申請をしてください。所得が基準以下であれば、全額免除または一部免除を受けられます。免除を受ければ、将来の年金も一部もらえます。

免除を受けると将来の年金はどうなりますか?

全額免除の場合、将来の年金額の50%がもらえます。4分の3免除なら62.5%、半額免除なら75%、4分の1免除なら87.5%です。未納のまま放置すると年金額は0円なので、免除を受けた方が有利です。

失業したら自動的に免除されますか?

いいえ、自動的には免除されません。失業した場合でも、市区町村役場または年金事務所で免除申請が必要です。失業の事実があれば、前年の所得にかかわらず特例免除が認められる可能性があります。

学生でも国民年金を払わないといけませんか?

20歳になると学生でも国民年金への加入が義務付けられます。ただし、「学生納付特例制度」を利用すれば、在学中は保険料の納付が猶予されます。市区町村役場または年金事務所で申請してください。

免除の申請はいつでもできますか?

はい、いつでも申請できます。また、申請時点から2年1か月前までさかのぼって申請できます。ただし、すでに督促状が届いている場合は、さかのぼっての免除が認められないこともあるため、早めの申請が重要です。

免除を受けた期間は、後から払えますか?

はい、免除を受けた期間は10年以内であれば追納できます。追納すれば、免除期間も満額納付した期間として扱われ、将来の年金額を増やすことができます。

免除の申請は毎年必要ですか?

はい、免除の対象期間は毎年7月~翌年6月の1年間です。継続して免除を受けたい場合は、毎年7月以降に改めて申請が必要です。自動継続されないため注意してください。

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