税金

たばこの税金はいくら?600円の内訳と今後の値上げ推移を解説

コンビニでたばこを買うたび、「また高くなった」と感じていませんか?

主要銘柄は今や600円に達し、その大半が税金です。しかも、たばこ税だけでなく消費税も上乗せされるという仕組みをご存じでしょうか。

このページでは、たばこにかかる税金の種類や割合、具体的な金額を図解を交えてわかりやすく解説します。また、ここ数年の値上げの流れと今後の見通しについても触れていきます。

自分が買っているたばこのうち、いくらが税金なのかを知れば、値上げのカラクリが見えてきます。

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たばこにかかる税金は全部で4種類

たばこに上乗せされる税金は、大きく分けると「たばこ税(4種類)」+「消費税」の構造になっています。

たばこにかかる税金の種類

税金の種類 納め先 目的・特徴
国たばこ税 一般財源
たばこ特別税 旧国鉄債務の返済が目的
道府県たばこ税 都道府県 地方財源
市町村たばこ税 市町村 地方財源
消費税 国・地方 商品全体に対して課税

この「たばこ税4種類」と「消費税」を合計したものが、たばこの販売価格に含まれる税金になります。

たばこの販売価格の約6割が税金です。お酒の税金割合が約4割であることと比べても、たばこがいかに高い税率で課税されているかがわかります。

具体例:600円のたばこの税金はいくら?

実際に、600円のたばこ1箱(20本入り)にどれだけの税金がかかっているのか計算してみましょう。

紙巻きたばこ(600円)の税金内訳

2026年1月現在の代表的な税率で計算すると、以下のようになります。

600円たばこの税金内訳を円グラフで表示

600円のたばこ1箱(20本入り)の税金内訳

税金の種類 金額 割合
国たばこ税 約136円 約22.7%
たばこ特別税 約16円 約2.7%
道府県たばこ税 約21円 約3.5%
市町村たばこ税 約131円 約21.8%
消費税(10%) 約55円 約9.1%
税金合計 約359円 約59.8%
メーカー・流通の取り分 約241円 約40.2%

つまり、600円のたばこのうち約359円が税金で、税金の割合は約59.8%(約6割)です。実際に製造コストやメーカーの利益として残るのは、わずか241円程度しかありません。

「税金に消費税」が上乗せされる仕組み

注目すべきは、消費税の計算方法です。

消費税は「本体価格+各種たばこ税」を含む販売価格をもとに計算されます。つまり、たばこ税が含まれる価格に対して消費税が上乗せされるため、体感としては税金に税金がかかっている構造になっています。

【「二重課税」と言われる理由】

  • たばこの販売価格には、すでに4種類のたばこ税が含まれている
  • その「たばこ税込みの価格」に対して、さらに消費税10%が上乗せされる
  • 法的には「二重課税」には該当しない(個別消費税であるたばこ税は商品の構成価格の一部とみなされるため)が、体感として負担感が大きい

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たばこ税の値上げの流れ

ここ数年、たばこは毎年のように値上げされてきました。

2018年から2021年にかけて、3年連続で「1本あたり1円」の増税が行われました。1箱20本入りの場合、1回の増税で20円、3回で計60円の値上げとなりました。

直近の値上げ状況と今後の予定

たばこ税の段階的引き上げ

時期 内容
2018年10月 1本あたり1円の増税(1箱20円値上げ)
2020年10月 1本あたり1円の増税(1箱20円値上げ)
2021年10月 1本あたり1円の増税(1箱20〜30円値上げ)
2022年10月 加熱式たばこの税率引き上げ完了
2026年以降 加熱式たばこの見直しと、防衛費増額の財源としてさらなる増税を実施予定

今後の増税スケジュールについては、後述の「たばこ税の今後の見通し」で詳しく解説します。

主要銘柄の価格推移

たばこの価格は、この約50年間で大幅に上昇しています。

たばこの価格ヒストリー(タイムライン)

主要銘柄の価格推移(1969年〜2026年)

メビウス
(マイルドセブン)
セブンスター マールボロ
1969年 100円
1977年 150円 150円
1983年 200円 200円
1998年 250円 250円 280円
2006年 300円 300円 320円
2010年 410円 440円 440円
2018年 480円 500円 510円
2019年 490円 510円 520円
2020年 540円 560円 570円
2021年 580円 600円 600円
2026年現在 580円 600円 600円

セブンスターは半世紀の間に6倍の価格になりました。特に2010年以降の値上がりが顕著で、わずか十数年で2倍近く値上がりしています。

なぜこれほど値上がりしたのか?

値上がりの主な理由は以下の2つです。

  • 国の税収確保のための段階的な増税
  • 喫煙率低下による販売減少と生産コストの増大

2021年には、日本たばこ産業(JT)が全国の葉タバコ農家の4割にあたる1,729戸が廃作を決めたと発表しました。国内での生産体制が縮小し続けているため、今後も価格上昇の圧力がかかりやすい状況です。

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加熱式たばこの税金はどうなっている?

最近普及している加熱式たばこ(iQOS、glo、Ploom等)にも、紙巻きたばこと同様に税金がかかります。

加熱式たばこの税金はどう決まる?

現在の加熱式たばこの税額は、製品の「重量」と「小売価格」の両方をベースにして紙巻きたばこの本数に換算する方式がとられています。

しかし、2026年(令和8年)4月以降、この課税方式が見直されます。具体的には、小売価格の要素が廃止され、より紙巻きたばこと同等の税負担となるよう「適正化」が段階的に行われる予定です。

加熱式たばこの税率変遷と今後の見直し

時期 税率の状況
2018年以前 紙巻きたばこより低い税率
2018年〜2021年 段階的に税率を引き上げ
2022年10月以降 紙巻きたばことほぼ同等の税率(重量と価格で換算)
2026年4月・10月 価格要素を廃止し、紙巻きたばことの税負担差を解消する見直しを段階実施

この見直しにより、加熱式たばこの税負担は今後さらに紙巻きたばこへ近づいていくことになります。

たばこの販売数量と税収の推移

喫煙率の低下により、たばこの販売数量は大幅に減少しています。

性・年齢別・現在習慣的に喫煙している者の割合の年次推移

出典:最新たばこ情報

成人の喫煙率は年々低下しており、特に若年層の喫煙率が大幅に減少しています。健康意識の高まりと、たばこ税の値上げが主な要因です。

紙巻きたばこの販売数量の変化

  • 1996年(平成8年)の販売数量:3,483億本
  • 2020年(令和2年)の販売数量:988億本

※約25年間で3分の1以下に減少しています。

販売数量が減っても税収が維持される理由

1990年代のピーク時から販売数量が減少する一方で、たばこ税の税収は長年にわたり約2兆円規模を維持しています

これは、国が税収全体を維持するために、販売数量の減少に合わせて1箱あたりの税率を引き上げ続けてきたためです。今後も喫煙率の低下が続く限り、増税が繰り返される可能性が高いといえます。

販売数量 vs 税収の逆転構造

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たばこ税の今後の見通し

現在、防衛力を強化するための財源確保として、たばこ税のさらなる増税が予定されています。

今後のたばこ税 増税スケジュール(防衛財源)

防衛費財源としての増税スケジュール

政府の税制改正大綱によると、国たばこ税を「1箱(20本入り)あたり計30円(1本あたり1.5円)」引き上げることが決定しています。一度に値上げするのではなく、2027年(令和9年)以降に段階的に実施される予定です。

  • 2027年(令和9年)4月〜:1本あたり0.5円引き上げ
  • 2028年(令和10年)4月〜:1本あたり0.5円引き上げ
  • 2029年(令和11年)4月〜:1本あたり0.5円引き上げ

この税率引き上げが実施された場合、税負担が1箱あたり計30円増えるため、消費税への影響やメーカーの価格設定も相まって、店頭価格もそれに伴い値上げされる見込みです

【たばこ税が増税されやすい3つの理由】

  • 健康への悪影響があるため、増税に対する社会的な反対意見が少ない
  • 依存性があるため、値上げしても一定の需要と税収が確実に見込める
  • 喫煙者のみが負担するため、非喫煙者からの反発が起きない

いわゆる「取りやすいところから取る」という財源確保の典型例といえます。

たばこの害による社会的損失

日本医師会などの推計によれば、たばこの害による総損失は2015年度時点で2兆円を超えるとされています。

たばこの社会的損失の内訳

  • 喫煙関連疾患(肺がん、心疾患、慢性閉塞性肺疾患など)の医療費
  • 受動喫煙による健康被害の対応費
  • 喫煙による労働生産性の低下
  • 火災など喫煙に起因する事故による損失

たばこ税の税収は約2兆円規模ですが、社会的損失も同程度の規模であるため、「たばこ税で国が儲かっている」とは必ずしも言えない状況です。

まとめ:たばこ税は今後も上がり続ける

たばこにかかる税金は、販売価格の約6割を占めており、その割合は年々上昇しています。

【この記事のポイント】

  • たばこ税は4種類あり、さらに消費税が上乗せされる
  • 600円のたばこのうち、約359円(約6割)が税金
  • 消費税はたばこ税を含む価格に上乗せされるため、負担感が大きい
  • 2026年(令和8年)4月以降、加熱式たばこの課税方式が見直される
  • 防衛費増額の財源として、2027年以降に段階的な増税(1箱計30円の税負担増)が予定されている

喫煙率の低下が続く限り、国は税収を維持するために増税を繰り返すと考えられます。たばこを吸い続ける限り、負担は増え続けることを覚悟しなければなりません。

よくある質問(FAQ)

Q. たばこにかかる税金は全部で何種類ですか?

たばこ税は4種類(国たばこ税、たばこ特別税、道府県たばこ税、市町村たばこ税)です。加えて、商品全体に対して消費税が上乗せされるため、購入者が負担する税としては合計5種類になります。

Q. 600円のたばこのうち、税金はいくらですか?

約359円が税金です。割合にすると約6割(59.8%)が税金で、実際の製造コストやメーカーの利益は241円程度しかありません。

Q. たばこ税は二重課税ではないのですか?

消費税は、たばこ税を含む価格に対して上乗せされるため、体感としては「税金に税金がかかっている」構造です。ただし、法的にはたばこ税は商品のコストの一部とみなされるため「二重課税」には該当しません。

Q. 加熱式たばこの税金は紙巻きたばこと同じですか?

これまでは重量と小売価格をベースにして換算されていましたが、2026年(令和8年)4月と10月の2段階の見直しにより、価格要素が廃止されて紙巻きたばことの税負担の差が解消されていく予定です。

Q. たばこの販売数量が減っているのに、なぜ税収は維持されているのですか?

国が税収全体を約2兆円規模で維持するために、販売数量の減少に合わせて1箱あたりの税率を引き上げ続けているためです。増税によって販売減を補っている状況です。

Q. 今後、たばこ税はさらに上がりますか?

はい、防衛力強化の財源として増税が予定されています。2027年(令和9年)4月から段階的に引き上げられ、最終的に国たばこ税が1箱あたり計30円(1本1.5円)引き上げられるため、それに伴い店頭価格も値上げされる見通しです。

Q. なぜたばこ税ばかり増税されるのですか?

主な理由は3つです。(1)健康への悪影響があるため増税への反対が少ない、(2)依存性があるため値上げしても需要が見込める、(3)喫煙者のみが負担するため非喫煙者からの反発がない。いわゆる「取りやすいところから取る」政策の影響です。

参考・出典

  • 財務省「たばこ税等に関する資料」
  • 財務省「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」
  • 国税庁「加熱式たばこに係る課税方式の見直しについて」
  • 厚生労働省「最新たばこ情報」

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