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深夜手当は何時から?時間外・休日手当の計算方法と割増率一覧

「深夜に働いたら手当がつくって聞いたけど、何時から深夜手当になるの?」「残業代の計算方法がよくわからない」と悩んでいませんか。

深夜手当は午後10時(22時)から午前5時までに働いた場合に支払われる割増賃金です。厳密には「深夜割増(25%)」が通常の賃金に上乗せされ、結果として通常賃金の1.25倍以上になります。

また、1日8時間を超える労働には時間外手当(残業手当)、法定休日に働いた場合には休日手当がそれぞれ発生します。これらが重なると「1.5倍」「1.6倍」とさらに割増率が上がります。

この記事では、深夜手当・時間外手当・休日手当の3つの割増賃金について、それぞれ何時から適用されるのか、何倍になるのか、どう計算するのかを具体例とともに詳しく解説します。自分の残業代が正しく支払われているか確認したい方は、ぜひ参考にしてください。

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割増賃金の3つの種類と割増率

労働基準法では、一定の条件で働いた場合に割増賃金を支払うことが義務付けられています。割増賃金が発生するのは以下の3つのケースです。

割増賃金が発生する3つのケース

  • 時間外手当(残業手当):1日8時間または週40時間を超えて働いた場合
  • 休日手当:法定休日に働いた場合
  • 深夜手当:午後10時から午前5時までの間に働いた場合

それぞれの割増率は以下のとおりです。

割増賃金の3大ルール(時間外・休日・深夜)

種類 条件 割増率
時間外手当 1日8時間・週40時間を超えた場合 1.25倍以上
休日手当 法定休日に働いた場合 1.35倍以上
深夜手当 午後10時〜午前5時に働いた場合 1.25倍以上

これらが重複する場合(深夜残業など)は、それぞれの割増率を合算します。例えば、深夜に時間外労働をした場合は「時間外(1.25倍)+深夜割増(0.25倍)」で1.5倍になります(※深夜"割増分"は0.25、深夜時間帯の"支払倍率"は1.25です)。

深夜手当:何時から何時まで?計算方法は?

深夜手当は、午後10時(22時)から午前5時までの時間帯に働いた場合に支払われる割増賃金です。

深夜手当

深夜時間帯に働くと「深夜割増(25%)」が上乗せされ、支払倍率は1.25倍以上になります。コンビニのアルバイトなどで深夜勤務の時給が高いのは、この深夜割増が上乗せされているためです。

【深夜手当のポイント】

  • 対象時間帯:22時〜翌5時
  • 割増率:通常賃金の1.25倍以上(深夜割増25%が上乗せ)
  • 正社員・パート・アルバイトの雇用形態に関係なく適用
  • 時間外労働と重なると1.5倍に加算される

深夜手当の計算例

時給1,000円で午後10時から午前2時まで働いた場合を例にします。

計算例:時給1,000円 × 22時〜2時(4時間)

  • 労働時間:4時間
  • 通常賃金:1,000円 × 4時間 = 4,000円
  • 深夜割増(25%):1,000円 × 0.25 × 4時間 = 1,000円
  • 合計:5,000円(=1,000円 × 1.25 × 4時間)

通常であれば4,000円のところ、深夜時間帯のため5,000円が支払われます。

時間外労働と深夜労働が重なった場合

通常9時から18時まで勤務している人が、深夜0時まで残業した場合はどうなるでしょうか。

  • 9時〜18時:通常賃金(うち休憩1時間)
  • 18時〜22時(4時間):時間外手当(1.25倍)
  • 22時〜0時(2時間):時間外手当+深夜手当(1.5倍)

時間外労働と深夜手当が重なった場合

22時以降は時間外手当(1.25倍)に深夜割増(0.25倍)が加算されるため、合計で1.5倍の割増賃金が支払われます。

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時間外手当(残業手当):1日8時間・週40時間を超えたら

時間外手当は、いわゆる「残業代」と呼ばれるもので、1日8時間または週40時間を超えて働いた場合に支払われる割増賃金です。

時間外手当

時間外手当の割増率は1.25倍以上です。労働基準法では、1日8時間・週40時間が労働時間の上限と定められており、これを超える労働には割増賃金を支払うことが義務付けられています。

時間外手当の計算例①:1日8時間勤務で2時間残業

時給1,000円、通常9時から18時まで勤務している人が2時間残業した場合を例にします。

計算例:時給1,000円 × 8時間勤務+2時間残業

  • 通常勤務(8時間):1,000円 × 8時間 = 8,000円
  • 時間外労働(2時間):1,000円 × 1.25倍 × 2時間 = 2,500円
  • 合計:10,500円

8時間を超えた2時間分が1.25倍の割増賃金になります。

時間外手当の計算例②:1日7時間30分勤務で2時間残業

所定労働時間が7時間30分の場合、2時間残業しても全てが割増賃金になるわけではありません(※その週の労働時間が40時間以内である前提とします)。

計算例:時給1,000円 × 7.5時間勤務+2時間残業

  • 通常勤務(7時間30分):1,000円 × 7.5時間 = 7,500円
  • 8時間までの残業(30分):1,000円 × 0.5時間 = 500円(割増なし)
  • 8時間超の残業(1時間30分):1,000円 × 1.25倍 × 1.5時間 = 1,875円
  • 合計:9,875円

割増賃金が発生するのは原則として1日8時間、または週40時間を超えた部分です。8時間までの30分は通常賃金(いわゆる法内残業)として支払われ、8時間を超える1時間30分が1.25倍の割増賃金になります。

【法内残業と法定外残業の違い】

  • 法内残業:所定労働時間を超えるが、1日8時間以内・週40時間以内の残業(割増なし・通常賃金のみ)
  • 法定外残業:1日8時間または週40時間を超える残業(1.25倍以上の割増賃金が発生)

「残業した=全部割増になる」わけではない点に注意しましょう。また、1日の労働時間が8時間以内であっても、週の合計が40時間を超えた分は法定外残業(1.25倍)となります。

月60時間を超える時間外労働の場合

労働基準法の規定により、1ヶ月あたり60時間を超える時間外労働に対しては1.5倍以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。

月60時間超の割増

以前は中小企業に対する猶予期間がありましたが、2023年4月からは企業規模を問わずすべての企業に適用されています。

時間外労働の量 割増率
月60時間まで 1.25倍
月60時間超 1.5倍
月60時間超+深夜労働 1.75倍(1.5倍+0.25倍)

過度の残業は労働者の健康を損なうため、法律で割増賃金を高く設定することで長時間労働を抑制しています。

休日手当:法定休日と法定外休日の違い

休日出勤をした場合、割増賃金が支払われますが、法定休日に働いたか法定外休日に働いたかで割増率が異なります。

休日手当

法定休日とは

法定休日とは、労働基準法で定められた「毎週1日または4週間に4日」の休日のことです。この法定休日に働いた場合、割増率は1.35倍以上になります。

法定外休日(所定休日)とは

一方、法定外休日とは、法定休日以外に会社が設けている休日のことです。労働基準法では1日8時間・週40時間が上限のため、1日8時間働く場合は週5日で40時間となり、法定休日以外にもう1日休日が必要になります。この追加の休日が法定外休日です。

法定外休日に働いた場合、それだけでは割増賃金は発生しません。ただし、週40時間を超えた分については時間外労働として1.25倍の割増賃金が発生します。

法定休日と法定外休日の違い

区分 法定休日 法定外休日
根拠 労働基準法で義務 会社の規定
日数 毎週1日 or 4週4日 週40時間の制限から追加
割増率 1.35倍 週40時間超の部分のみ1.25倍

休日出勤の計算例①:法定休日に8時間勤務

1日8時間・週5日勤務の人が、法定休日に8時間働いた場合を例にします。

計算例:時給1,000円 × 法定休日8時間勤務

  • 平日5日:8時間 × 5日 = 40時間(通常賃金)
  • 法定休日:1,000円 × 1.35倍 × 8時間 = 10,800円

すでに週40時間働いているため、法定休日分の8時間は全て1.35倍の割増賃金になります。

休日出勤の計算例②:法定外休日に5時間勤務

1日7時間・週5日勤務の人が、法定外休日(土曜)に5時間働いた場合を例にします。

法定外休日に仕事をした場合

計算例:法定外休日に5時間勤務(平日7時間×5日=35時間の場合)

  • 平日5日:7時間 × 5日 = 35時間
  • 土曜5時間のうち、週40時間までの3時間 → 通常賃金(法内残業)
  • 週40時間を超える2時間 → 時間外手当(1.25倍

法定外休日に働いただけでは割増賃金にはなりません。週40時間を超えた分だけが時間外労働として1.25倍になります。

法定休日が決まっていない場合はどうなる?

就業規則に法定休日の具体的な曜日が記載されていない会社もあります。週休2日制でどちらも休日出勤した場合、どちらが1.35倍の法定休日になるのでしょうか。

行政の通達(Q&A)によると、原則として「暦週(日曜日から土曜日)において後順に位置する休日」が法定休日として扱われます。

例えば、土日休みの会社で土曜・日曜の両方に出勤した場合、後順である「土曜日」が法定休日(1.35倍)、前順の「日曜日(暦週の始まり)」が法定外休日(週40時間超なら1.25倍)として計算されるのが基本ルールです。無用なトラブルを避けるためにも、就業規則で法定休日を特定しておくことが推奨されています。

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割増賃金の組み合わせパターン一覧

時間外手当、休日手当、深夜手当はそれぞれ独立しており、条件が重なる場合は割増率を合算します。すべてのパターンを表にまとめました。

割増賃金の組み合わせ早見表

労働の種類 割増率 計算式
時間外労働のみ 1.25倍 通常賃金 × 1.25
法定休日労働のみ 1.35倍 通常賃金 × 1.35
深夜労働のみ 1.25倍 通常賃金 × 1.25
時間外+深夜 1.5倍 通常賃金 × 1.5
法定休日+深夜 1.6倍 通常賃金 × 1.6
月60時間超+深夜 1.75倍 通常賃金 × 1.75

【法定休日に「時間外」はカウントされない】

  • 法定休日に8時間を超えて働いても、「休日労働+時間外」で1.6倍(1.35+0.25)にはならない
  • 法定休日の労働は時間外労働の計算とは別枠(月60時間の計算にも含めない)
  • 法定休日+深夜の場合は1.6倍(1.35+0.25)になる

月給制の場合の時給換算方法

月給制で働いている方は、「残業代はいくらになるの?」と計算しにくいかもしれません。月給から時給を割り出す方法を解説します。

時給の計算式

月給制での時給換算

時給 = 月給 ÷ 月の所定労働時間

※月の所定労働時間 = 年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月

例えば、月給25万円で月の所定労働時間が160時間の場合、時給は1,562.5円です。この時給をもとに、各種割増賃金を計算します。

なお、労働基準法(第37条第5項・施行規則第21条)により、時給換算の際に含める手当・含めない手当が決められています。

  • 含めるもの:基本給、役職手当など固定の手当
  • 含めないもの:通勤手当、家族手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時の手当、賞与など(※いずれも名称だけでなく実態に応じて判断されます)

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日本の平均労働時間

参考までに、一般的な労働者の平均勤務時間を紹介します(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」より)。

項目 平均時間
1日の所定労働時間 7時間49分
1週の所定労働時間 39時間24分

産業や企業規模によって差はありますが(例えば金融業などは短く、飲食サービス業などは長くなる傾向があります)、多くの企業では1日8時間・週40時間という法律上の上限に近い水準に設定されています。

つまり、ほとんどの企業では少しでも残業すれば割増賃金が発生するということになります。自分の所定労働時間を給与明細や就業規則で確認しておきましょう。

まとめ|割増賃金で押さえるべきポイント

  1. 深夜手当は22時〜5時で1.25倍
    午後10時から午前5時まで働いた場合、深夜割増(25%)が上乗せされます。正社員・パート・アルバイトの雇用形態を問わず適用されます。
  2. 時間外手当は1日8時間・週40時間超で1.25倍
    法定労働時間を超えた分に割増賃金が発生します。所定労働時間を超えるが法定時間内である残業(法内残業)は割増なしの通常賃金です。
  3. 休日手当は法定休日で1.35倍
    法定休日に出勤した場合のみ1.35倍。法定外休日は週40時間超の部分のみ1.25倍です。
  4. 重複する場合は合算
    深夜残業は1.5倍、法定休日の深夜出勤は1.6倍、月60時間超の深夜残業は1.75倍になります。

自分の給与明細を確認して、正しく割増賃金が支払われているか確認しましょう。もし未払いがあると感じた場合は、労働基準監督署に相談することもできます。

よくある質問(FAQ)

Q. 深夜手当は何時から何時までですか?

深夜手当は午後10時(22時)から午前5時までの時間帯に働いた場合に支払われます。この時間帯に勤務した場合、通常賃金に深夜割増(25%)が上乗せされ、結果として1.25倍以上の割増賃金が発生します。

Q. 1日7時間勤務で2時間残業した場合、全て割増賃金になりますか?

いいえ、なりません。割増賃金が発生するのは原則として1日8時間(または週40時間)を超えた部分です。週の合計が40時間以内という前提で、1日7時間勤務で2時間残業した場合、8時間までの1時間は通常賃金(法内残業)、8時間を超える1時間だけが1.25倍の割増賃金になります。

Q. 土曜日に出勤した場合、必ず休日手当がもらえますか?

土曜日が法定休日に該当する場合のみ、1.35倍の休日手当が支払われます。法定外休日の場合は、週40時間を超えた分について1.25倍の時間外手当が発生します。就業規則で法定休日がどの曜日か確認しましょう。

Q. 深夜に残業した場合、何倍の割増賃金になりますか?

深夜(22時〜5時)に時間外労働をした場合、時間外手当(1.25倍)と深夜割増(0.25倍)が合算され、合計で1.5倍の割増賃金が支払われます。法定休日の深夜勤務の場合は、休日手当(1.35倍)+深夜割増(0.25倍)で1.6倍になります。

Q. 月60時間を超える残業をした場合、どうなりますか?

1ヶ月あたり60時間を超える時間外労働については、1.5倍以上の割増賃金が支払われます(2023年4月からは企業規模を問わず全てに適用)。さらに深夜労働が重なる場合は、1.5倍+0.25倍=1.75倍になります。

Q. 残業代の計算方法を簡単に教えてください

基本的な計算式は「時給 × 労働時間 × 割増率」です。例えば時給1,000円で2時間の時間外労働をした場合、1,000円 × 2時間 × 1.25倍 = 2,500円が残業代として支払われます。月給制の場合は、月給を月の所定労働時間で割って時給を算出します。

Q. 法定休日と法定外休日の見分け方を教えてください

就業規則に記載されている場合はそれに従います。記載がない(特定されていない)場合は、原則として暦週(日〜土)において後順に位置する休日が法定休日として扱われます。トラブルを避けるためにも、就業規則を確認することをおすすめします。

参考・出典

  • 厚生労働省「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」
  • 厚生労働省「割増賃金の基礎となる賃金とは?」
  • 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」
  • 厚生労働省「改正労働基準法に係る質疑応答」
  • e-Gov法令検索「労働基準法」

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