障害年金・遺族年金

傷病手当金は、ケガや病気をした時の生活保障

2017年9月30日

傷病手当金についてのわかりやすく説明します。
傷病手当金とはケガや病気をした時の生活保障です。健康保険法を元に支給されます。

ただし、傷病手当金を受け取るためにはいくつかの要件を満たしていなければなりません。

 

傷病手当金の支給要件

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のために休業であること
     ⇒業務上や通勤災害によるものは労災保険が適用される
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと
     ⇒給与の支払いがあっても、傷病手当金の額より少ない場合は、差額が支給される

あくまで業務外で行われたものが対象です。業務中に起こったもは労働保険になります。
※5人未満の小さな会社の社長で、一般社員と同じような仕事をしている場合は業務上の理由であっても傷病手当金が対象になります。

傷病手当金の支給額

1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。

◆標準報酬月額とは、基本給、残業手当、住宅手当、通勤手当、勤務手当など労働の対償として受け取るものすべてをいいます。
 年3回以下のボーナス(賞与)は含まれません。

◆標準報酬日額とは、標準報酬月額を30日で割ったものです。
 標準報酬月額÷30日(10円未満は四捨五入)

標準報酬日額は4月、5月、6月の平均賃金から算出され、その年の9月から1年間同じ金額になります。
4月の昇給や、4月~6月の残業有無によって等級が変わる場合があります。

※出典:全国健康保険協会

事業主から支払いを受けた場合は、傷病手当金の支給額が調整(減額)されます。

傷病手当金の支給期間

傷病手当金は、病気やけがで休んだ期間の内、最初の3日間を除き(待機期間)4日目から支給されます
支給期間は最長1年6ヶ月です。

待機期間の考え方

(例1)この場合、3日間待機がないため傷病手当金の支給はありません。

(例2)3日間待機期間があるので支給されます。出勤している日の支給はありません。

(例3)土曜日、日曜日が普通のお休みの日でも、3日間の待機があれば翌日から支給されます。

(例4)傷病手当金は、支給を開始した日から数えて最長1年6ヶ月です。それ以降お休みしていても支給されません。

(例5)傷病手当金の支給を受けている間に出勤していたとしても、最長1年6ヶ月は変わりません。

資格喪失後の継続給付について

社会保険の資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、喪失日の前日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態の条件を満たしていれば、資格喪失後も引き続き支給を受けることができます。

退職後の継続給付の場合、一定期間経つと「医師による同意書」と「療養生活報告書」の提出が必要な場合があります。
ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった場合、その後仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金はしきゅうされません。

傷病手当金が支給停止(支給調整)される場合

以下の状況の場合は傷病手当金が支給停止または支給調整される場合があります。

  1. 傷病手当金と出産手当金が受けられるとき
     ⇒出産手当金が優先して支給
  2. 資格喪失後に老齢(退職)年金が受けられるとき
  3. 障害厚生年金または障害手当金が受けられるとき
  4. 労災保険の休業補償給付が受けられるとき

※退職年金とは企業年金のことを指します。

傷病手当金Q&A

Q.傷病手当金は収入となり、確定申告をする必要があるのでしょうか?

A.傷病手当金(障害年金、遺族年金、失業保険等)は非課税です
収入にはなりませんので、傷病手当金についての申告は不要です。

Q.現在、傷病手当金を受けていますが退職することになりました。傷病手当金を受けたまま失業保険の申請はできます?

A.失業保険と傷病手当金とは同時に受けることができません。

傷病手当金は病気やけがで働けない場合に支給を受けるものです。一方失業保険は就職活動をする際の生活保障です。
すぐにでも働ける方が失業保険の対償になるため、傷病手当金を受けている間は失業保険は受け取ることができません。

失業保険は退職日の翌日より原則1年間有効ですが、3年間延長(最大4年)することもできます。

Q.傷病手当金の支給を受けながら扶養に入ることはできるのでしょうか?

A.受け取っている傷病手当金の額によります。

扶養に入るためには、年間の収入(見込み)が130万円未満でないといけません。
月の場合だと、108,333円以下になります。それ以上傷病手当金を受け取っている場合は扶養にはなれません。

 

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